動画内のエピソードを一部紹介
主人は優しくて、汚部屋に帰ってきても、「今日も育児ご苦労さん」と言って褒めてくれた。そんな優しかった主人が死んだ。
突然だったので、それを受け止められず、私は廃人のようになった。子供の面倒はほとんど母がみてた。何もかもやる気になれず、と言うか、掃除をするのが嫌だった。
だって、主人の髪の毛一本さえ捨てたくなかったから。リビングはゴミの山。虫が飛んでようがお構いなし。毎日死ぬことばかり考えていた。
いつも主人の部屋に入って、主人の匂いを嗅いで、面影を必死で探して泣いていた。毎日が地獄だった。
そんな生活が半年くらい続いたある日、ふと気付いた。主人が死んで半年以上経つのに、この悲しみはあの時のまま。
悲しみは時が癒すと言うのは嘘だっのか?私はこの悲しみが癒える事なく、このままあと何十年か生きなくてはならないのか?と。
気がつくと私は、ゴミ袋片手にあらゆる物を捨てていた。死ぬ気だったのかもしれない。よく覚えてないけど、無我夢中で掃除をしていた。
賞味期限が一年ほど昔に切れた食べ物の日付をみて、「この時はまた主人はげんきだった」とか。当時の私にとって家中の物全てが主人とリンクしていたので、声を上げて泣きながら捨てていた。
最後に主人の部屋を掃除した。そこはさすがにキツかった。袋に入れた物を、もう一度出す。何度も何度もそんな事を繰り返しながら、掃除した。
主人の遺品は最後に来ていた服上下だけ。主人の生きていた証としてこれだけは残して置いた。最後に掃除機をかけて、窓を開けた。
半年以上開けていなかった窓を久しぶりに開けたら、キンモクセイのいい匂いがした。私はまた泣いていた。だけど、それは悲しくてではなくて、懐かしくて。
やっと、思い出になった気がした。私は生きていけると確信した。これは去年の話。今年もキンモクセイの季節が来たから、ふと思いだして、書き込ませていただきました。
あれから毎日そうじをする様になって、その日も主人の部屋だったクローゼットの中を掃除していた時、ヒラヒラと一枚のメッセージカードが落ちて来た。
そこには「いつもありがとう」と主人の字で書かれていた。日付は「母の日」だったけど、これはきっと天国の主人からだと思った。
だって、今まで一度も手紙なんか書いてくれた事がなかったから。独身の時でも書いてくれた事が無いのに。
それにここは何度も掃除した所。日付が母の日なのは主人の照れ隠しだと思うw。これは、主人からの最初で最後のラブレターです。
実はその後、唯一の遺品、生きていた証としてとって置いた主人の服を捨てました。
たまにさみしくなると、その服を引っ張り出して来たけど、隣で心配そうに見つめる息子の顔を見て、おかしくて笑ってしまった。だって旦那の顔と瓜二つだったからw
最後に、掃除はものすごい力があると実感しました。それも人を癒す力は絶大だと、私は感じました。
これからも、掃除を毎日楽しく続けて行きます!いつかまた主人からのサプライズがあるかもしれませんのでw
明日から頑張ろう。少しずつ掃除して、ダイエットも少しずつでもやろう。大切な人をこれからも大事にしよう。後悔しない人生を送りたい。
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